高付加価値市場の創出

「機能のシェイプアップは退化ではない」バイオノート505 EXTREME
http://www.zdnet.co.jp/news/0311/12/nj00_x505intv.html

「少量生産のライトウェイトスポーツ」というキーワードにジンジン。 PCの世界でも「作りたいから採算度外視で作ってしまえ」という作り手の贅沢と,「欲しいものを普通の数倍の高い値段を出してでも手に入れたい」という消費者の贅沢の存在が許される世の中になってきたのかー。

すでに贅沢ブランドとしてQuoriaを提案し,それがぶっちゃけコケ気味のSONYだが,今回のこのアプローチを育てれば,Quoriaで目指したこと(高品質・高価な市場の創出)は実現できそうな気がする。

一般に贅沢市場というのは,製品の物質的な価値(高性能だとか,材質だとか)だけでなく,その背後の物語(あるいは「薀蓄として語れる」ナニか)も含めて成り立つ。

つまり,実用品からこうしたカテゴリを形成し,それを成功に導くには,伝説の存在が欠かせない。 そして,その伝説のパターンは,「欲しいものを追求して作っていたら,いつの間にやらこうなってました。 高くてゴメソ」に類型化される。

クルマの世界を先例として取り上げれば,フェラーリなんつーのも,高い車を作ろうとしたんじゃなくて,高性能車を作りたいというエンツォ・フェラーリの執念が,高い値段じゃないと到底引き合わないプロダクトを生み出してしまっただけのハナシだ。 イギリスのバックヤードメーカ,TVRモーガンなんつーのも同じ口。

「所有するステータス」なんてのは,後からくっついてくるもので,最初からそれを目指したQuoriaなんつーのはちゃんちゃらオカシイぞ,ということだ。

SONYは,Quoriaのような「高いものを作るぞ!だから考えられないほどの高品質でいくぞ」というアザトイ,お仕着せ感ただよいまくりのやり口ではなく,今回の505の開発形態に見られた「欲しいものを追求して作っていたら,いつの間にやらこうなってました。 高くてゴメソ」のアプローチで,高付加価値を目指すことができるんじゃないかと,こう思うわけですよ。