で,

こんなことつらつら書いてるけど,「帝王切開ってのはカエサルがそーやって生まれたからだぜ」と言っている人をバカにするという主旨では全くない。

ワレワレ人間が全てを知るなんてことはもはや不可能だ。 現に,もっている知識のほとんど全ては,何らかの情報ソースから手に入れたもので構成されている。 上に書いたことだって,別に小プリニウスの原本に当たったというわけじゃない。

賢明なあなたならもうご承知だろうが,なんらかのメディアを通してしか知識を得られないスキームでは,「現在もっている知識に誤りがまだあって,真実とやらがまた別にある」という命題を否定することは全く不可能だ。 知っているところまでを真実と見なすと折衷するしか,手がない。 だからだれが「帝王切開」を哂えるのだろうかと思う。

なんなら,自身で経験したことですらも,その解釈によっては誤り(より合理的でない)となる可能性を含んでいる。

#予知夢の類なんかが好例だろう。 「その人の夢をみた次の日にその人が死ぬ」という事象は,確率的には日本で年間数人程度に当たり前に起こるが,その事象をオカルトにする人はとても多い。

このスキームにあることを謙虚に受け止めるなら,個人は,消化できる以上のペースで増殖し続ける情報空間を,ただひたすら漁り続けることくらいしかできない。

そして,その解釈再統合の妙に自己満足を覚えることくらいしか。