スケールフリーネットワーク
スケールフリーネットワークというのは,
- 一部のノードが膨大なリンクを持つ一方で,ほとんどはごくわずかなノードとしか繋がっていない
ようなネットワーク構造を指す。 従来,ランダムネットワーク構造になるだろう,あるいはなっていると思われていたネットワークが,どうもそうではない何か新しい構造をとっているらしいということで調べられた結果,このようなネットワーク構造があちこちで見つけられた。
- WWW
- ウェブページをノードとし,ノード同士はハイパーリンクでリンクされるネットワーク。 ごく少数の有名サイトが数百万単位のリンクを集めるのに対し,大多数のサイトは小さなリンク数に留まる。
- インターネット
- ルータをノードとし,その物理的な結線状況をリンクとするネットワーク。 基幹ネットワークに直接接続する高性能ルータなど,高機能なノードにリンクが集中する一方,大多数のルータのリンクは少数。
- 男女の性的関係
- ほとんどが生涯に数人としか性交渉を持たない一方で,ごく一部は100人を超える相手と関係する。
- 学術論文
- 研究者をノード,論文の共同執筆をリンクとすると,ごく一部の研究者は膨大なリンク数を持つが,大多数は少数のリンクに留まる。 ハリウッドの俳優の共同出演をリンクとするネットワークも同様の構造になる。
- 電子メール
- やりとりする人をリンクとするネットワークも,一部の人間だけが非常に多くのノードとリンクする構造になる。
- 生体内の相互作用
これらのネットワーク構造の最大の特徴は,新しいノードが次々に参入しても,ネットワークの形状が変化しない,フラクタル性をもっているところにある(だからスケールフリー)。 そして発見されたことのうち,もっとも重要と思われ,注目に値するポイントが,
- 観測されたスケールフリーネットワークのうち,持続的に成功しているものは「べき乗則」をとっており,その傾きは2内外である。
という事実だろう。 持続的に発展するネットワークが,共通してもっている特徴・構造は,k個のリンクが存在する確率がk-rに比例し,r≒2ということだ。
これは,リンク数が2倍になると,存在個数は1/4になるような関係だ。 つまり,両対数の目盛りをとって,リンク数とノード数を両軸にグラフを書くと,右肩下がりの直線が得られて,その傾きが-2になるようなネットワーク構造こそが,持続的に発展可能なスケールフリーネットワーク構造の真髄かもしれないというのが,この観測結果から演繹できそうな理論だ。
#コンサルだと,この時点でそれを狙わない手はない,となるのかな(笑)
ちょっと長いので,続きはまた。 次は持続的に発展可能なスケールフリーネットワーク構造の,肝心要の作り方。